皆さん、こんにちは。
東京都世田谷区を拠点として、注文住宅・新築工事やリフォーム・リノベーション工事を手掛ける川津工務店株式会社です。
「この家、リノベーションして本当に大丈夫だろうか?」
築年数の経った戸建てに住んでいると、ふとそんな疑問が頭をよぎることがあります。間取りや設備を一新すれば、もっと快適な暮らしが手に入る——でも、その判断が本当に正しいとは限りません。
実は、条件によっては“手を入れないほうが良い家”も存在します。この記事では、リノベーションを検討する前に知っておきたい「やめたほうがいい」5つの判断基準を、専門的な視点で整理します。
「この家、本当に直していいの?」迷ったときに立ち止まるべき理由
リノベーションを考えはじめると、間取りの工夫や新しい設備のことばかりに目が向きがちです。ですが、すべての戸建てがリノベーションに向いているとは限りません。築年数や構造、土地の条件によっては、手を加えるよりも建て替えや売却を選んだほうがよいケースも少なくないのです。費用面だけでなく、将来的な住まいの安心や資産価値を考えると、「いまこの家に手を入れるのが最善なのか?」という視点はとても大切です。
特に、築30年以上の戸建ては、見えない部分に劣化が進んでいることもあり、想定以上の修繕費がかかることも。構造の弱さや法的な制限により、希望していた間取り変更ができないといったケースもあります。気持ちが先走ると、そうした懸念を見落としやすくなります。
今の住まいを大切に使い続けたいという気持ちは、もちろん大切です。ただその前に、立ち止まって家の状態や条件を冷静に見つめ直すこと。それが、後で「こんなはずじゃなかった」と感じるリスクを防ぐ第一歩になります。リノベーションを始めるかどうかは、「やるか、やらないか」ではなく、「やるべきかどうか」の判断から始まります。
》リノベーションは何を行う事? メリット・デメリットを含めてご紹介します。
■構造・基礎に深刻な問題がある場合
リノベーションを検討する際、外観や内装に目が行きがちですが、見逃してはならないのが「家の土台」となる構造や基礎の状態です。特に築30年以上の戸建てでは、建物の傾き、基礎のひび割れ、土台の腐食など、見た目にはわからない深刻な問題が隠れていることがあります。これらの劣化は、工事を始めてから発覚することが多く、追加の補修費用が大きく膨らむ原因になります。
また、柱や梁に使われている木材の強度が落ちている場合、間取り変更や壁の撤去が難しくなり、希望していた空間が実現できないことも。とくに旧耐震基準で建てられた住宅では、耐震補強が必要になるケースも多く、補強工事だけで数百万円かかることもあります。これはリフォーム費用全体のバランスを崩し、「建て替えの方が安く済んだ」という事態にもつながります。
さらに、床下の湿気やシロアリ被害が進行している場合、表面の仕上げをどれだけ美しくしても、家の寿命そのものが縮まってしまうリスクも見逃せません。住宅診断(インスペクション)を受けずに進めるのは非常に危険です。構造に不安がある家こそ、まずは専門家による現地調査を行い、「そもそも手を入れてよい状態か」を冷静に見極める必要があります。安易な着手は、大きな後悔につながりかねません。
■法規制や再建築不可物件の制限が大きい場合
たとえ家自体に大きな傷みがなかったとしても、「その家が建っている土地」によっては、思い描いたリノベーションが実現できないケースがあります。代表的なのが、再建築不可の物件です。これは接道義務などの法律条件を満たしておらず、いったん建物を取り壊すと、原則として新しく建て直すことができない土地に建つ家のことを指します。リノベーションをしても、その後の活用に大きな制限が残るという点で注意が必要です。
また、再建築が可能な土地でも、用途地域や建ぺい率・容積率といった法的な制限により、増築や大きな間取り変更が認められない場合もあります。たとえば「2階にトイレを増設したい」「吹き抜けを作りたい」などの希望があっても、法令上の制限が壁になることがあります。こうした制約は、購入時や建築当時の条件とは異なっていることもあり、過去の情報だけで判断すると危険です。
さらに、都市計画区域や防火地域に該当していると、使える建材や設備にも制限がかかることがあります。これにより、希望していたデザインや間取りが実現できず、満足度の低い結果になることもあります。リノベーションは「家の中」だけの話ではなく、「土地の条件」と強く結びついているものです。事前に市区町村や建築士としっかり確認し、法規制の全体像を把握しておくことが、成功への鍵となります。
》再建築不可物件はリフォームできる?費用相場や後悔しないための注意点を徹底解説!
■費用が“建て替え以上”になる可能性があるとき
「リノベーションの方が安く済むだろう」という先入観から工事を進めた結果、想定を大きく超える費用がかかってしまうケースは少なくありません。とくに古い戸建ては、解体して初めて分かる問題が多く、追加工事や補強費が発生しやすい傾向があります。たとえば、床下の湿気や構造材の腐食、古い配管の総入れ替えが必要になることもあります。これらは見積もり段階では反映されにくく、あとからどんどん積み上がっていくのが現実です。
また、建物の性能を現代水準に近づけるには、断熱や耐震の強化、窓の交換、配線や設備の一新などが必要になります。これらを丁寧に行えば快適な住まいになりますが、結果として費用が建て替えと同等かそれ以上になる場合もあります。建て替えであれば新築基準での性能向上が最初から織り込まれており、長期的なランニングコストやメンテナンス費用を考えると、むしろ割安になることさえあるのです。
特に「部分的な補修で済むと思っていた」が「全面的な工事に拡大した」というケースでは、途中で引き返せなくなり、費用もスケジュールも大きく狂ってしまいます。予算を立てるときは、必ず“理想”だけでなく“現実”の想定も含めて、追加費用がどこまで膨らむ可能性があるかを冷静に見ておくべきです。「やるならここまで必要」「それなら建て替えも選択肢」といった比較視点を持つことが、賢明な判断につながります。
■それでもリノベを選ぶ人が重視している“価値軸”とは?
多くの課題や制約があるとわかっていても、あえてリノベーションを選ぶ人がいます。そこには、数字や効率では測れない「暮らしの価値」があるからです。たとえば、長年住み慣れた家にある家族の思い出や、代々引き継がれてきた建物への愛着は、簡単に手放せるものではありません。「多少手間がかかっても、この家で暮らし続けたい」と感じる気持ちは、費用や合理性とはまた別の判断基準になります。
また、立地の良さも重要な要素です。駅からの距離や周辺環境、学校区など、今の家が持つ“場所の価値”は、たとえ建物が古くても簡単に代えられないものです。住み替えとなると、同じ条件を再び見つけるのは難しく、結果として現在の家を活かすほうが満足度が高いと判断する人もいます。
さらに、近年は「部分的に手を加えながら、少しずつ暮らしを整えていきたい」という考え方も増えています。完璧な新築よりも、自分たちの暮らしに合ったリズムで家を育てるスタイルです。リノベーションは、そうした柔軟な暮らし方に寄り添える手段でもあります。
こうした価値観を大切にした判断であれば、リノベーションは有効な選択肢になります。重要なのは「なぜリノベを選ぶのか」という目的を明確にし、現実とのバランスを取ること。その軸さえぶれなければ、多少の制約があっても納得感のある選択ができるはずです。
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■迷ったら“やめる前提で相談する”。そのくらいがちょうどいい
リノベーションを検討していると、「やる前提」で話が進んでしまいがちです。でも本当に大切なのは、「やるべきかどうか」を見極めることです。プロに相談するときも、最初から依頼を前提にせず、「まずはこの家に手を入れる価値があるか知りたい」というスタンスで臨む方が、冷静な判断がしやすくなります。
とくに築年数が経っている家や、再建築不可の土地に建っている家は、判断が難しいものです。自分では気づけない制約や見えない劣化も多いため、経験のある工務店や建築士に現地調査を依頼することが重要です。丁寧にヒアリングを重ねてくれる業者なら、無理にリノベを勧めることなく、選択肢を一緒に整理してくれるはずです。
迷いがあるのは当然ですし、リノベーションには大小さまざまなハードルがあります。だからこそ、「やらない」選択肢も含めて、フラットに向き合ってくれるパートナーと出会うことが、納得のいく結論につながります。焦らず、比較しながら話を聞く。その一歩が、理想の暮らしへの確かな入り口になります。
「やるべきかどうか」から相談できる相手を探しているなら、まずは一度お話ししませんか?
川津工務店では、リノベーションの可否を一緒に見極めるところからサポートしています。
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