なぜ、暖房をつけても寒いのか?中古戸建ての「断熱リノベーション」で根本解決する方法

冬が近づき、朝晩の冷え込みが厳しくなる11月。慌てて暖房をつけ始めたものの、「部屋がなかなか暖まらない」「エアコンの温風は顔に当たるのに、足元はスースーする」「窓際にいると、ひんやりとした冷気を感じる…」といったお悩みはありませんか?


多くの方が「古い家だから、寒いのは仕方ない」と、あきらめてしまっているかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。その不快な寒さの根本原因は、家の「断熱性能」が低いことにあります。いくら高性能な暖房器具を使っても、家のあちこちから熱が逃げてしまっていては、まるで穴の空いたバケツに水を注ぐようなもの。快適な室温は保てず、光熱費ばかりがかさんでしまいます。


この記事では、冬の暮らしを劇的に変える「断熱リノベーション」の全貌を解説します。その場しのぎの寒さ対策ではなく、住まいの性能そのものを向上させることで、本当の意味で快適かつ健康的な冬の暮らしを手に入れる方法をご紹介します。


なぜ暖房をつけても寒い?主な3つの原因

日本の住宅、特に築20年以上経過した中古戸建ての多くは、現在の省エネ基準に遠く及ばない断熱性能しか持っていません。その結果、冬の暖房熱の実に7割以上が、家の外へ逃げてしまっていると言われています。その主な原因は、以下の3つに集約されます。


  • 窓からの熱の流出:冬の暖房時、熱が逃げる最大の原因は「窓」で、その割合は全体の約6割にも達します。古いアルミサッシと一枚ガラスの組み合わせは、外の冷気をたやすく室内に伝えてしまいます。
  • 壁・床・天井からの冷気の侵入:目には見えませんが、断熱材が入っていなかったり、入っていても隙間だらけだったりすると、壁や床、天井を通じて冷気が侵入し、熱が奪われていきます。特に床下からの底冷えは、足元の不快な寒さの直接的な原因です。
  • 隙間風の発生:家の気密性が低いと、目に見えない無数の隙間から冷たい外気が侵入し、暖房効率を著しく低下させます。


断熱リノベーションは、これら3つの根本原因に同時にアプローチし、家全体を「魔法瓶」のような状態に変えることを目指すものです。


フルリノベーションで実現する「根本的な寒さ対策」

部分的な対策も無駄ではありませんが、寒さの根本解決を目指すなら、間取り変更なども含めたフルリノベーションが最も効果的です。柱や梁だけのスケルトン状態にするからこそ、普段は見えない家の隅々まで、徹底した性能向上工事が可能になります。


壁・床・天井|家全体を魔法瓶のように包む断熱改修

断熱リノベーションの基本は、壁、床、天井といった躯体を高品質な断熱材で隙間なく覆うことです。


断熱材には、ガラスを原料とする「グラスウール」や、新聞紙をリサイクルした「セルルースファイバー」など様々な種類があり、それぞれに特徴や適した施工法があります。重要なのは、どの断熱材を選ぶかよりも、「いかに隙間なく丁寧に施工するか」です。特に、床下からの底冷えを防ぐ「基礎断熱」や「床断熱」は、足元の快適性に直結する重要な工事。私たちのような経験豊富な大工は、見えない部分だからこそ、一切の妥協なく施工を行います。


「窓」の性能向上で、熱の出入りをシャットアウト

断熱性能を高める上で、壁や床以上に重要なのが「窓」です。熱損失が最も大きいこの「開口部」をいかに対策するかが、冬の快適性を大きく左右します。


サッシの交換:アルミから「樹脂」へ

従来の日本の住宅で主流だったアルミサッシは、熱伝導率が非常に高いため、外の冷気をそのまま室内に伝えてしまいます。これを、熱伝導率がアルミの約1000分の1である「樹脂サッシ」に交換するだけで、窓際のひんやり感は劇的に改善され、不快な結露の発生も大幅に抑制できます。


ガラスの交換:単板から「複層(ペア)」「トリプル」へ

ガラスを、2枚のガラスの間に空気層を設けた「複層ガラス(ペアガラス)」に交換するのも基本です。さらに、ガラスの内側に特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」なら、室内の暖房熱を外に逃がさず、夏は外からの日射熱を遮る効果もあります。より高い性能を求めるなら、3層のガラスで構成された「トリプルガラス」という選択肢もあります。


意外な盲点「気密性」|断熱効果を最大限に引き出す鍵

高性能な断熱材や窓を使っても、家のあちこちに隙間があっては意味がありません。断熱と必ずセットで考えなければならないのが「気密性」です。


気密性能は「C値(相当隙間面積)」という数値で表され、この値が小さいほど「隙間の少ない家」であることを意味します。気密性を高めることで、①断熱材の性能を最大限に引き出す、②隙間風による不快感をなくす、③計画的な換気が可能になる、といった多くのメリットが生まれます。断熱と気密、この両輪が揃って初めて、本当に快適な温熱環境が実現するのです。


部分リフォームとフルリノベーション、どちらを選ぶべき?

部分リフォームのメリットと限界

もちろん、予算や状況に応じて部分的な対策から始めることも可能です。今ある窓の内側にもう一つ窓を追加する「内窓の設置」は、比較的手軽で断熱・防音効果も高く、コストパフォーマンスに優れたリフォームです。しかし、家全体の寒さを根本的に解決し、部屋ごとの温度差(ヒートショックのリスク)をなくすには、限界があることも事実です。


根本解決を目指すならフルリノベーション

家全体の温熱環境をトータルで設計し、冬の寒さはもちろん、夏の暑さにも対応できる住まいを目指すなら、フルリノベーションが最適です。初期投資は大きくなりますが、長期的に見れば光熱費の大幅な削減に繋がり、何より「一年中、家のどこにいても快適」という、何物にも代えがたい価値を手に入れることができます。また、耐震リノベーションと同時に行うことで、足場代などをまとめられ、トータルコストを抑えることも可能です。


まとめ:快適な暮らしは、目に見えない「性能」が支えている


冬の不快な寒さは、「家の古さ」のせいではありません。正しい知識と適切な技術を用いれば、リノベーションによって必ず解決することができます。


デザインや間取りと違い、断熱や気密といった「住宅性能」は、一度リノベーションしてしまうと、後からやり直すのが非常に困難な部分です。だからこそ、最初の会社選びが何よりも重要になります。


まずはご自宅の寒さの原因がどこにあるのか、私たちのような住まいの専門家に相談することから、本当の意味で快適な家づくりを始めてみてはいかがでしょうか。


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